アイルランド研修(2024)

アイルランド研修(2024)

「アイルランド3日目」 2025年1月8日

 今日は、道路凍結の危険があるということでアタイカレッジが休校になりました。ホストマザーのベルナデットに学校はよく雪で休みになるの?と聞いてみると、「こんなに雪が降ったのは46年前と、孫のノアが生まれた14年前ね。記憶している限りでは長い間こんなに雪が降った年はなかったから…14年前は6週間も雪が降ってたの。クリスマスにも降ってたのよ!」とおっしゃっていました。

 札幌に住んでいると、JRやバスの遅延などで、学校に遅れることはあっても休校になることは稀であるように感じます。今日のように、雪が数センチほどしか積もっていないのに休校ということはきっと北海道では経験することのない出来事だと思います。それほど雪が積もることは珍しいですし、今週1週間通して寒いということもとても珍しいのだなと、実際にお話を聞いてみて感じました。

 というわけで、予期せず一日フリーになったので、3日目にして既に直面している問題に向き合うことにしました。ホストマザーとの会話が続かないという問題です。相手の話していることはわかるのですが、常になんと言って良いか、返事を考えていると沈黙が生まれ、結果話が続かないという、なんとも絶望的な状況です。そこで、彼女が最近見ている、’The Traitor’ というドラマを一緒に見て共通の話題を作ろうと思いサブタイトルを追いかけながらトライしてみました。そして見事、期待通りに「誰が先に人狼に気づくと思う?」「人狼が人狼を裏切ってる!彼、めちゃくちゃスマートね!」と夜中まで盛り上がりました。また、その中で出てきた知らない表現を教えてもらっているうちに、アイルランド人にしかわからない表現なども一緒に教えて頂けるようになってとても勉強になりました。’Great Crack’がその一つで、アイルランドではとても楽しかったよ、と言いたい時、’It was a great fun. ' ではなく’It was a great crack. 'を使うと教えていただきました。ただ、アイルランドでも、ダブリンでは’T’を発音しない等の地域によるアクセントの差や、表現の差があるため、どこでも通じるというわけではない、という表現もあるようでとても面白いなと思いました。

 また午後には、「孫のジェシカと一緒にお買い物行くけど一緒に来る?」とお誘いいただいたので、一緒にALDIEというアイルランドで有名なスーパーに行きました。そこでお茶を売っているコーナーがあったのですが、マフィンやクッキーなど、アフタヌーンティーをするのに必要なものがとても充実していて、お茶を飲む文化であることを改めて感じました。お買い物をしながらお土産として良さそうなものを探そうと思い、どんなお土産を買って行ったら良いか2人に聞いてみました。彼女たち曰く、アイルランド特有の‘Infinity’を表すマークがあり、私が知っている8を横に倒した形(∞)とは全く異なる形だと教えてくださいました。’Celtic knot’(ケルティックノット)と呼ばれるそうです。調べてみると、私たちがよく知る∞のマークが、「終わりのないもの」を表すのに対し、ケルト文化では自然や生命、霊的なものが関わっているところがユニークなんだそうです。ホストマザーが見せてくれたイメージは’Triquetra’(トリニティノット)と呼ばれる形で他にも’Dara knot’(ダーラノット)と呼ばれる形があるそうです。ケルト文化には日本のアニミズムのように神々が自然に宿ると信じる文化があり、オークの木はその象徴の一つなんだそうです。そしてもう一つ、ケルト文化を象徴する物として、’Claddagh’があるということを教えて貰いました。’Claddagh Ring’(クラダリング)は友情、愛情、忠誠を表すアイルランドの伝統的な指輪だそうです。ハートが愛を、王冠が忠誠を、そして両手が友情を象徴するとのことでした。Claddagh Ringは付け方によって違う意味を持ち、ハートが外側を向いている場合、自分がフリーであることを表し、逆に内側に向いている場合、既にパートナーがいる事を意味するそうです。それぞれのものが象徴するものは異なりますが、日本の文化や考え方に通じる物を感じるお話で、日本との共通点をもう少し詳しく探してみたいなと思いました。

 買い物が終わって外に出ると、綺麗な川が流れていて、ホストマザーに綺麗な川だねと言ってみたところ、「この前あった孫のノアが参加しているドラゴンボートっていう部活が夏と秋にここで大会をやってるのよ。」と教えてくださいました。そもそも部活の幅がとても広いなと思いつつ、小さい時から他国の文化に触れる機会があることが素敵だなと思いました。アタイカレッジ自体、常に短期留学生が出入りしていたり、トランジションイヤーを選択できたり等の自由度の高さや文化の多様性に、実際交流してみて驚かされした。

 他にもアイルランド文化を感じることが他にないか、思い返してみると、買い物の後、孫のサバナを迎えに行くとのことで、彼女を学校までピックアップしに行った時、ジェシカがサバナに「今日のおやつ、これね。」と言ってチップスをあげていて、そういえばアイルランドに来てから、チップスしか見ていないと言っても過言ではないほどみんなチップスを食べているということに改めて気付きました。確かに、「毎日いも料理だよ!」と出発前にコーディネーターの方がおっしゃてたけど!いも料理&チップス(いも)…一日中姿の違ういもに出会っているなと思いながら今日の夜 ご飯は何かなとチップスを食べながら考えていました。

 今日はサバナのお母さんがお仕事だということで家に帰ってから二人で遊ぶ時間があったので、サバナが出演しているテレビを見たり、UNOをしたり、神経衰弱や七並べを教えてあげたりして遊びました。神経衰弱はこっちにもある遊びなの?と尋ねてみたところ、彼女は今までにやったことがないと言っていてとても楽しそうに遊んでいたので、私も嬉しかったです。日本のことを教える、といえばサバナの家にはジュリアとターラという留学生がステイしていて、明後日には娘のビクトリアと更に別の留学生のパブロも帰ってくるとのことで、年も近いので日本語を教えてあげたいなと思います。ついでに私はドイツ語とスペイン語を教えてもらおうかなと思っているところです。金曜日は毎週ハンバーガーパーティーをするので、ステイ中の生徒はみんなサバナのお家に集まるということで、そこで初めて5人で顔合わせする機会なので今からとてもワクワクしています。明日も気温は上がらないとのことなので学校があるかわかりませんが、学校が開くならアイルランドの歴史と文化について質問してみたいと思います。

2年6組 濱野優花

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