「小学校訪問」 2025年1月14日
教室に入ると、20人ほどの小学生が一斉にこちらを向いた。と思うと、隣の子たちとヒソヒソ話し始めた。これは歓迎されているのだろうかと体を強張らせ、ペアだった女子と目配せする。テーブルは2つに分けられていたので、一人一つ担当して、途中で交代するという手筈を決めた。先生が教室の真ん中に立って、「日本から来た留学生ですよー。」と、小学生たちに伝えている。さぁ、どうぞと先生に手招きされて、おずおずと自己紹介した。
結構緊張していた。
小学生10人に折り紙を配り始める。配り終えてテーブルを見渡すと、こちらの様子を伺っている子もいれば、すでに折り始めている子もいた。と、ここで自分のミスに気づく。ここで紙飛行機を折ってもらうはずだったが、英語でどう説明するのかを調べていなかったのである。言葉が詰まったままの自分を、小学生たちが見つめてくる。頭をフル回転させて、今から紙飛行機を作るから、自分の折り方を真似してくれ!と伝えた。そこから先の説明は、自分でもひどいと思うもので、ストレートだとか、センターだとか、ツートライアングルだとか、単語でしか説明ができなかった。ただ、最初に真似するよう言ったのが功を奏し、大体の子は正しく折れていた。間違って折ってしまった子の折り紙も、一旦開いた後に一手ずつ(いい加減自分も落ち着き始めていたので)、丁寧に教える。できた紙飛行機を渡すと、その子はぱっと笑顔になって、すでに紙飛行機を飛ばしている皆に混ざっていった。よく見ると、自分のグループではない子も立って飛行機を飛ばしている。隣のグループを見ると、男の子が皆立ち上がって紙飛行機に興じていた。担当していた女子に睨まれ、ごめんと目で詫びる。そうこうしているうちに、帰る時間になった。子どもたちと触れ合った時間はわずかだったが、自分の拙い英語でも理解して、同じように折り紙を折ってくれたのはとても嬉しかった。何より、子どもたちが紙飛行機を飛ばすのを楽しんでくれたことに一番安心した。
2年3組 富居嵩太