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2018年度 札幌西高物理キャンプ報告

2018年度 札幌西高物理キャンプ報告

1.目 的
 大学・研究機関等と連携し、長期休業を利用して生徒が研究者から最先端の研究について直接指導を受けることで、科学技術に対する興味・関心を高め研究意欲の向上を図るとともに、主体的に探究する態度を育むことにより、生徒個々の持つ能力や適性に気づかせ、創造性・独創性など高い資質を開花させる。

2.日 程
 平成30年8月6日(月)~8月7日(火)(1泊2日)

3.主な研修先(行程順)
 (1) J-PARCセンター(大強度陽子加速施設) 所在地:茨城県那珂郡東海村大字白方2番地4
 (2) KAGRA(大型低温重力波望遠鏡) 所在地:岐阜県飛騨市神岡町東茂住238

4.研修結果
 ①1日目 8:00新千歳空港発の便に乗り、羽田空港へ。それから電車を乗り  継ぎ、お昼頃茨城県東海村に着いた。J-PARCセンターとは、周長1.6kmの円形加速器を使い、陽子を加速させ、さまざまな物質にぶつけ、実験する施設・設備である。そこで生成した中性子やニュートリノを使って、さまざまな研究が行われている。


J-PARCについての講義を受講中

水銀に用紙を当てる装置の説明

物質・生命科学実験室前で。

ニュートリノ発生装置の前で。
手前は光電子倍増管

この後、16時過ぎに東海村を後にし、一路富山市へ向かい1日目を終えた。

 ②2日目  朝7時半にジャンボタクシーにてホテルからKAGRAへ向かった。KAGRAとは、「アインシュタインの最後の宿題」といわれている重力波観測装置である。近年、ノーベル物理学賞の授賞理由となった研究テーマであり、日本にはスーパーカミオカンデで有名な神岡町のすぐそばの施設である。そこでは、まず重力波に関する講義をうけ、その後実験設備の見学を行った。


サファイア鏡の前で。

長さ3kmの真空装置の前で。

     

5.感想(抜粋)

板東
 今回の物理キャンプは偶然、自分の好きな分野だったので参加したのですが、思っていた以上に素粒子物理学の面白いところをこれまで見逃していて、参加しているうちに新しい理解とともに興味もどんどん強くなりました。そしてそこまでの興味もなかった重力波の研究もとても面白いことに気づき、もっと知りたいと思いました。そして、将来は、実験屋という形で重力波などワクワクすることを研究したいと思います。

山本
 今回、物理キャンプに参加して最新鋭の科学技術の一端に触れることができ、とても興味深かった。中性子のこともニュートリノのことも、重力波についてもまだまだ研究段階であり、これからどんどん新しいことがわかっていくのが楽しみだなと思う。

小林
 今回物理キャンプに行ったことにより、物理に関する本やニュースに興味を持つようになりました。私は小学生の時、相対性理論の本を読みましたが、わからないことがたくさんありました。実際に研究施設を見学し、科学に興味を持った今、もう一度読んでみたら面白いと思います。また、自分の知らないことは、まだまだあるのだと実感し、これからも知らないことに対して積極的に興味も持っていきたいと思いました。

小暮
 今回物理キャンプに参加して、研究所の規模の大きさにとても驚いた。研究に使用される施設1つ1つにかかるコストもとても大きく、自分が知らないところでこんな大規模なことが行われているのかと思い興奮した。今回、まだあまり知られていない重力波や、観測装置などについて詳しく知り、直に見ることができて大変貴重な体験ができたと思った。今後の学習や進路に活かしていきたい。 

菅原
 素粒子についてあまり知らなかったが、今回の物理キャンプを通して素粒子の研究から宇宙のはじまりに迫れる理由、今日本でも行われている最先端の研究のレベルの高さ、そして研究の面白さを感じることができた。今あるどんな学問も突き詰めれば宇宙の始まりになる。人類が宇宙の起源を知るため、今回見れたような研究機関が今後も多くの発見を生み出してほしい。大学で研究をするモチベーションにもなった。